皆さんは「不思議」と思ったことはありませんか? 宇宙は真空であると教えられていたと思います。しかし真空であれば波動は伝わらないはずです。なぜなら、波動は伝える何物かがなければ生まれないからです。宇宙が真空であるなら、なにも伝わりません。伝えることはできないのです。そう教えられませんでしたか?
宇宙中の星々の姿形を、我々は見ることも感じることもできないはずなのです。太陽すら見ることはできない。なぜなら伝えるものがないからです。
しかし、我々は、どんどん遠のくと思われている、140億光年という広大な宇宙の果て(あくまで仮の話です)をも見定めようとしています。なにもかもが見えるわけです。それは、光を伝える「何モノか」が宇宙に遍満していることを意味しています。
我々の目に見える身近な波動で言えば、例えば水がなければ波は生まれませんし、波紋も広がりません。音も波動ですから、我々の住む地球に空気があればこそ、他人と話もでき、危険を察知することも、愛を語ることもできるのです。真空であれば、そうはいきません。
そうです。宇宙は「何モノか」が満ち満ちている、光や音を伝える「何モノか」に満ち満ちた世界なのです。その「何モノか」を、昔の人々は「神」や「仏」と表現しました。世界に遍満する存在、それこそが「神」「仏」であり、その根源の存在である「神」「仏」を識らしめるものを「光」と理解したのです。
しかし近代に入って人々は、抽象的な概念であると「神」「仏」を遠ざけ、宇宙は真空である(これはどう考えても、「神」「仏」を否定するための言葉にしか思えません)と仮定しました。同時に真空であれば何も伝わらないという至極当たり前のことに、目をつぶりました。
しかし、そこに横たわる矛盾に理論物理学者は気付くというよりは、当たり前の思考として解答を見出すのです。本当は世界には「何モノか」が満ち満ちているはずだ……そして誕生したのが「ダークマター」という概念です。
宇宙は真空ではなく、「ダークマター=暗黒物質」に満ち満ちているという、仮説です。しかしこれとてあくまで仮説であり、誰一人ハッキリと「暗黒物質」を見つけた人もいませんし、正体を暴いた人もいません。
しかしながら、まだ誰もなんの解も導き出していませんが、このダークマターに関連して一つだけ言えるのは(ダークマターがその正体であるとは限りませんが)、世界のすべての根源となる「何モノか」は確実に存在しているということです。そしてその「何モノか」は、世界のすべてを作り出している大元であるということです。
そうです、人間も地球も、その辺に転がっている石も、物質はすべては同じ根源から作り出されているのです。
ボクが「石は生きている」という根拠は、ここにあります。
ライター紹介
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- 加藤久明
- 1949年7月、島根県松江市生まれ。早稲田大学文学部中退。大学入学と同時に商業劇団に入団。20歳までに自分の劇団を立ち上げるが、24歳で出版の世界に。「主婦と生活社」で当時珍しかったMOOKを制作したのを皮切りに、廣済堂「マネーライフ」「週刊時代」などの編集者となる。27歳でRock Magazin「ロッキンF」の副編として4年間活動。以降フリーランスの出版プロデューサーとして今日に至る。関わった月刊誌、週刊誌は数多。編集長として制作した雑誌も3誌、プロデュースした単行本も数十冊、自身の著作も数冊ある。その間に、超常現象などの不思議世界に興味を持ち、矢追純一、五島勉、韮澤潤一郎などにアプローチ、話を聞く機会を得た。個人的に超常・神秘現象などへの興味を深め、今日に至る。