奈良県桜井市にある日本有数のパワースポット・大神神社。そんな大神神社の境内には様々な薬木や薬草が植えられている「くすりの道」と呼ばれる道があるのですが、その道を奥へと進んでいくと、鬱蒼とした森に覆われるような形で摂社・狭井神社が鎮座しています。
神様の荒ぶる魂をお祀りする神社?
狭井神社の正式名称は「狭井坐大神荒魂神社」と言い、大神神社の御祭神・大物主大神の荒魂である大神荒魂神をお祀りしている神社です。古来より、荒ぶる大物主大神が引き起こしたと考えられてきた疫病を鎮めるための「鎮花祭」が国家の祭祀として本社の大神神社と共同で執り行われていたそうです。鎮花祭は現在でも行われており、毎年4月18日には全国から多くの製薬・医療に携わる方々が参列することから「薬まつり」とも呼ばれ、忍冬や百合根など薬草に関わる神饌が供えられています。
以上のことから狭井神社は「花鎮社」とも呼ばれており、地元桜井市の方は親しみを込めて「シズメさん」と呼んでいるとか。
拝殿の背後にある井戸から湧き出る御神水で健康に!?
地元の桜井市民のみならず、全国から熱心に狭井神社を参拝される方が多い理由の一つが、拝殿の背後にある井戸から湧き出る御神水。
狭井神社の社名の由来ともなっている「狭井」という名の井戸は、またの名を「薬井戸」といい、そこから湧き出る御神水を飲むと様々な病にいいという言い伝えがあり、「薬水」とも呼ばれています。薬井戸から出る御神水は、誰でも手軽に飲めるようになっており(滅菌処理されたコップも常設)、筆者も飲んでみたところ少し甘味を感じる美味しい水でした。
500mlのペットボトルに汲んでお持ち帰りされる方もいました。中には参拝者が少ない早朝の時間帯におしかけ、ポリタンクいっぱいに御神水を汲んで持ち帰る方もいるそうですが、必要以上の持ち帰りは迷惑行為となりますのでご注意ください。
神体山・三輪山の登拝口
大神神社の御神体で禁足地でもあった三輪山ですが、現在では摂社である狭井神社境内に登拝口があり、そこから登拝することが可能です。狭井神社の社務所に願い出て氏名、住所などを記名し、登拝証明書と白襷を受け取りようやく登拝することができます。登拝には写真撮影や余分な飲食の禁止など厳しい禁止事項があり、登拝中に体調を崩し消防隊のお世話になるといった事案も増えているそうなので、くれぐれも生半可な気持ちで登拝することはお慎みください。
本社・大神神社に負けないくらい篤く信仰されている狭井神社
大神神社は早朝の時間帯からお参りに来られる方も多いのですが、摂社である狭井神社も日がまだ出ていない頃合いにも関わらず、熱心にお参りしている方をお見かけします。病気平癒・身体健康の御利益を得られるとあって、病気などで悩まれている方だけでなく、有名アスリートの方も足繁く通っているとのこと。
また、一心不乱にお経のようなものを唱えておられる白装束の方もおられ、土俗的な雰囲気や神仏習合時代の名残を本社の大神神社以上に感じられました。大神神社に参拝される際には、ぜひ摂社である狭井神社も参拝されることをオススメします。
狭井神社
所在地:奈良県桜井市三輪1422
URL http://oomiwa.or.jp/
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